製造/運輸
本社:米国イリノイ州ライル
Navistarは、商用トラックやバス、防衛用車両の最先端のメーカーであり、提供するInternational® TruckやIC Bus®ブランドのエンジンも広く認知されています。
通常、自動車メーカーは、走行距離または前回の点検からの期間を元に、車両のメンテナンススケジュールを立てます。しかしこれは極めて原始的な方法であり、メンテナンスの必要性を示す数千も存在するデータポイントのうち、わずか2つにしかすぎません。そして、予定外のメンテナンスや故障の発生は、車両の所有者にとって非常に大きなコスト負担となります。
Navistarでは、フリートや車両の所有者が、事後的なアプローチからより予測的なモデルに移行できるようにするために、車両のセンサーデータなど、幅広いデータをリアルタイムに分析する必要がありました。しかし従来のデータウェアハウスでは、急速に拡大し続け、高速に移動する大容量のテレマティックデータに対応することができませんでした。「私達のレガシーなシステムでは、データを集めれば集めるほど、分析処理のスピードが落ち、ほぼ停止状態近くにまでなってしまいました」とNavistarのCTO、Ashish Bayas氏は話します。
Navistarは、Cloudera EnterpriseとSDXを使って、IoTを活用した遠隔診断プラットフォームであるOnCommand® Connectionを構築しました。70以上のテレマティクスと、エンジンのパフォーマンス、トラックの速度や加速、冷却液温度、ブレーキの摩耗など、37万5,000台以上のコネクテッドビークルに搭載されたセンサーからのデータとこのプラットフォームに取り込みます。収集したこれらのデータは、Navistarやサードパーティが所有する、気象情報、地理情報、車両使用情報、交通情報、保証経歴、部品在庫状況といったデータソースとの関連付けが行われます。現在プラットフォームには、60TB以上のデータが保存され、機械学習と高度な分析機能を使って、早い段階で自動的にエンジンの問題を検知し、メンテナンスの必要性を予知することができます。
フリートや車両の所有者は、スマートフォンやタブレットからトラックの状態やパフォーマンスを監視し、必要な修理の優先順位付けを行ったり、修理に必要な部品や技術者が在籍する受け入れ可能な最寄りのディーラーを見つけたりすることができます。
Navistarがプロトタイプを最初に構築したのは、2014年9月でした。わずか6ヶ月で、同社はプラットフォームを実業務に導入し、現在も分析サービスを拡張させ続けています。「Navistarは、Clouderaによって今後も革新を継続し、拡大を続ける情報ソースから価値あるインサイトを得たいと考えています」とKline氏は話します。
Navistarは、OnCommand Connectionを使って、フリートや車両の所有者のメンテナンスコストを、最大40%削減しています。あるNavistarのお客様の場合には、以前は12~15セント必要だった1マイルあたりのメンテナンスコストを、わずか3セント未満にまで削減することができました。
また、メンテナンスの必要性を早期に検知することで、車両の稼動停止時間を最大40%低減し、故障時の牽引に必要なコストも最小限に抑えています。一旦、車両の稼動停止が発生すると、通常車両所有者は、1日1台あたり1,000ドルの収入減となります。2,300社のお客様が37万5,000以上の車両を保持していることを考えると、その影響は非常に大きなものと言えるでしょう。
さらにNavistarでは、同プラットフォームを利用して、スクールバスの安全運行と定時運行にも貢献しています。110台のバスで年間150万マイルを運行するある学区では、予測インサイトのおかげで、故障による牽引を年々削減することに成功しています。
NavistarのCEO、Troy Clarke氏は、次のように締めくくります。「導入効果は圧倒的に優れたものでした。リアルタイムのビッグデータを使った業務意思決定やプロアクティブなメンテナンスの実施により、新たな収益源が生まれ、お客様に新たな付加価値を提供することができました。」
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