この記事は、2026/06/22に公開された「The World Cup Opportunity: Turning Fan Data into Meaningful Engagement」の翻訳です。
ワールドカップが開催され、世界中の注目が再びサッカーに集まっています。サッカークラブにとって、今この瞬間はデータ分析の宝庫となるはずです。多くのクラブはすでに長年にわたるサッカーファンのデータを保有しています。特にブラジルのような市場では、会員プログラムがビジネスモデルに深く組み込まれています。しかし、そうしたデータはチケット販売、会員管理、Eコマース、ソーシャルメディアといった分断されたシステムに散在していることが多く、情報を意味のあるアクションへとつなげることが困難になっています。
The AI Forecast の今回のエピソードでは、Paul Muller が Lupa Data の共同創業者である Caio Nogueira 氏と対談し、クラブの足かせとなっているものは何か、そして断片化したデータをどのように真のファンエンゲージメントへと変えていけるのかについて語ります。
現場においてこれが何を意味するのか、以下のように具体的に説明しています。
Paul:ワールドカップをお客様とのエンゲージメントの機会としてどのように捉えていますか。また、クラブはこのデータをどれくらい迅速に洞察へと変換できますか。
Caio 氏:当社のセグメント、特にスポーツ分野では、「ファンデータ」と呼ぶものに焦点を当てています。そしてそのファンデータにより、ワールドカップに関連したまたとない機会を見出しました。
サッカーファンでなくても、誰もがワールドカップを観戦するという現象があります。普段サッカーを観ない、あるいは関心がない人が、なぜ突然ワールドカップを熱心に追いかけるようになるのでしょうか。理由はよくわかりませんが、ワールドカップの時期になると、試合がある日はすべてが止まってしまいます。人々は仕事をせず、家に帰って試合を観るのです。
なぜ人々はそのような行動をとるのでしょうか。ソーシャルメディアから、人々がどのように試合と関わっているかについて多くの情報を得ることができます。それこそが人々を惹きつけるのです。この種の貴重で独自性のある情報を取得するには、今は特に適したタイミングです。なぜなら、こうした情報は、このような大規模なイベントの際にしか本格的に得られないからです。つまり、ワールドカップは、そうした取り組みを始めるための一つの足がかりになるのです。
Paul:それは非常に興味深いですね。冒頭でお話ししたように、多くのリスナーは、ニュースレター購読者、クラブ、団体、ロイヤルティプログラムなどの購読者データを扱っています。
弊社には、自社、スポーツ、ブランドに興味を持っている人々のリストがありますが、多くの人はどのように関わっていけばよいのか分からずに困っています。「行動セグメンテーション」について言及されていましたね。それが何を意味するのか説明していただけますか。
Caio 氏:ヨーロッパ、特にプレミアリーグには、すでにこのようなセグメンテーションを導入している例があります。重要なのは、ファンだけでなく会員も含めたさまざまな人々のグループと、彼らが何を求めているのかを理解することです。
例えば、子供連れのファンにはどのようなニーズがあるか、試合観戦に行く際、彼らは何を求めているか、というと、彼らは安全を求めています。子供を連れて一緒に楽しめる良い環境を求めています。プレミアリーグでは、障がいのある人々を代表する担当者が置かれています。彼らのニーズは、おそらくアクセスに関連するものです。
つまり、これらのグループにはそれぞれ異なるニーズがあるということです。問題は、それらのニーズに沿ったメリットをどのように提供できるかということです。それは、スロープに近い座席など、アクセスしやすい座席を意味するのかもしれません。
同時に、組織的なサポーターグループがチャントを歌い、旗を振り、大きな音を立てているような熱狂的なファンエリアの隣に、家族連れを配置することはないでしょう。場合によっては、特にブラジルのような場所では、そうしたエリアが対立の場になることさえあります。それは子供にとって適切な環境ではありません。つまり、こうした多様なニーズや、各グループがゲームやその文化とどのように関わっているかを理解し、それに基づいて体験を調整することが重要です。
Paul:お話を伺っていると、クラブや協会はファンデータをまだ十分に活用できていない、という見方をもたれているようです。この点については同意されますか。
Caio 氏:ええ、100% 同意します。Excel のスプレッドシートや、スタジアムのチケット販売システムのようなさまざまなデータベースに、主に非構造化データである大量のデータが分散しています。ほとんどのビッグチームは専用スタジアムを持っているのに、なぜそのデータを活用してファンにとってより良い体験を生み出さないのだろうか。
特にここブラジルでは、いくつかの試みが行われています。たとえば、サンパウロのチームの一つであるパルメイラスは、支払い方法を改善するためのアプリをすでに開発しています。会場ごとに独自のシステムがあるため、支払いが面倒に感じられることがあります。そのため、パルメイラスのファンであれば、チームのアプリを使ってスタジアムで支払うことができます。これが利便性をもたらし、同時にデータも生成します。しかし、システム間での真の通信はまだ実現していません。会員情報がチケット販売と連携されていたり、チケット販売がEコマースや、場合によってはアクセスコントロールと連携されていたりする状況は見受けられません。
別の例を挙げましょう。地元のスタジアムでライバルチームの試合がある場合、交通手段が問題になります。バスは混雑し、地下鉄も満員になるため、スタジアムにたどり着くことさえ難しくなります。それなら、「時間帯を決めて、スタジアムに向かう路線のバスを増便しましょう」と、市と連携できるよう提案してみてはどうか。そうすれば利便性が大幅に向上し、ファン体験全体が改善されるはずです。
Paul:それは技術面の問題ではないようですね。ビジョンとコラボレーションの問題のように聞こえます。この点については同意されますか。技術がないわけではないのです。
Caio 氏:
同意します。ここでの問題は、おっしゃるとおり、技術ではありません。必要な技術はすでにあり、それはかなり以前から存在しています。必要なのは、それを実現するためのフレームワークと、それを実際にやり遂げるという決意です。
結局のところ、重要なのは知識と応用です。つまり、どのようなデータを保有しているかを理解し、それをニーズに沿った有用な情報へと変換する方法を把握することです。現在、私たちはチームと協力してその実現に取り組んでいます。現時点では、e-コマースや会員情報など、多くの断片的なデータが存在しますが、それらは限定的なものです。会員データは会員のみを対象としており、一般からのデータはほとんどありません。収集方法を見出すことができれば、それは貴重なものとなるでしょう。私たちはこのデータを整理・統合し、前述した各セグメントのニーズに直接活用できるように取り組んでいます。
Caio Nogueira 氏との対談全編は The AI Forecast (Spotify、Apple Podcasts、YouTube) でお聴きいただけます。
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