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  • IoT の基本2: 予測分析の導入

    Pedro Pereira フリーランスライター兼編集者

    2022年11月30日
    すべての優れたデータの背後にはメタデータがある

    モノのインターネット (IoT) は、変革をもたらす計り知れない可能性を秘めています。実際、ほとんどすべての企業が、IoT を利用して自社の事業に変化をもたらす機会を見出すことができます。問題は、どこから始めればよいのか、ということです。

    ブログ記事『IoT の基本1』でお話ししたように、IoT を実装するには明確なビジョンの設定が不可欠です。具体的には、ロードマップを策定し、成果を明確に定義することが必要になります。そしてこれは、実装のユースケースを決定することを意味します。

    予知保全は、駆動システム、大型モーター、輸送機関などの機器への依存が大きい分野 (産業、製造、公益事業) で採用が進んでいるユースケースです。

    これまでは、機器の点検時期を決めるにあたって、メンテナンスのスケジュールをカレンダー (または利用時間) と連動させるのが普通でした。そのため、ある程度の推測が含まれていました。例えば、部品が故障する兆候がなくても、誤動作の可能性を防ぐために、スケジュールに従って部品を交換していたのです。

    予測モデルでは、機器の動作に関する正確な情報に基づいてメンテナンスを行います。機器に設置されたセンサーで状態やパフォーマンスのデータをキャプチャしたら、IoT 経由で送信して分析できるようにします。その結果、次の2種類のアクションを取ることになります。

    • 差し迫った故障を防ぐリアルタイムの是正措置

    • 機器の最適な動作を維持するための長期的な判断

    予測アプローチは、機器のライフサイクルの延長、ダウンタイムの防止、組織の資本の大幅な節約、および二酸化炭素排出量の削減につながります。

    リアルタイムの監視

    予知保全はシンプルな教訓に基づいています。その教訓とは、将来取るべき行動を決定するには、今何が起こっているのかを把握し、過去のパターンを理解する必要があるということです。

    すべては、リアルタイムの監視から始まります。機械がどの程度正常に動作しているのかを継続的に確認できれば、問題が発生してもすぐに是正措置を講じることができます。

    データは、振動や内部温度などの生データを検出するセンサーを介して、機械から収集されます。例えば、しきい値に基づいてアラートを発するセンサーを使えば、温度がしきい値を超え、誤動作につながる可能性がある機械の状態を事前に把握できます。

    場合によっては、機械の停止も対象となることがあります。機械が停止すると、生産が中断してコストが発生しますが、迅速に対応できればコストの増加を防ぐことができます。大規模な機械では、ある部品の故障が他の部品の故障につながる可能性があります。

    また、センサーを使って気温や湿度などの環境条件も検出できます。冷却システムを調整して環境条件を最適化すれば、過熱などの問題を防ぎ、機器の寿命を延ばすことが可能です。

    ドキュメントをクリックする男性

    データの継続的な収集

    データのキャプチャと分析をリアルタイムで行うためのコンポーネントは、迅速な是正措置を可能にするきわめて重要な存在です。また、予知保全の「予知」を実現するものでもあります。

    その仕組みはこうです。機械からキャプチャされたデータは、履歴分析のために保存されます。その後、機械学習 (ML) アルゴリズムで経時的にデータを分析し、故障の可能性を示す傾向、パターン、指標を特定します。最終的には、十分に蓄積されたデータを選別し、機械の残りの寿命を計算できるようにします。

    そのため、オペレーターは機械の状態と予測寿命に基づいてトレーニングスケジュールを設定することが可能になります。このモデルのおかげで、推測に基づく不完全なアプローチを採用することなく、必要な場合にのみ点検や部品の交換ができるようになるわけです。メンテナンスのスケジュールを生産のピーク時に合わせて設定することで、業務の中断が最小限に抑えられます。

    予知保全を行うと、メンテナンスに費やす時間を減らし、機器の寿命を延ばし、関連するすべてのコストを抑えることができます。また、予知保全に使用される ML システムと IoT システムが高度化すれば、アラートに対する是正措置の多くを自動化できるようになります。例えば、システムが自ら温度を調整したり、必要に応じて機械のオン/オフを切り替えたりすることを学習できるようになるのです。


    Navistar 社は、IoT を活用した予知保全により、車両のメンテナンスコストを30% 削減しました。

    詳細はこちらから 

    データ管理プラットフォーム

    予知保全を成功させるには、安全かつスケーラブルで、コスト効果の高いビッグデータ管理プラットフォームが必要です。その1つが Cloudera Data Platform (CDP) です。産業、製造、自動車、公益事業の分野で広く導入されているこのプラットフォームは、コストの削減、洞察の獲得、パフォーマンスの改善を実現してきました。言い換えれば、このプラットフォームは、データドリブンなオペレーションとデータに基づく自動化を可能にし、組織をデジタル強者に変え、私たちの生活に変化をもたらします。

    また、運用の効率化と自動化を実現するだけではありません。CDP と CDP のセルフサービス分析ツールを使用すれば、データサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの知識がなくても、ユーザーがデータを活用できるようになります。つまり、特定分野の専門家がデータ分析を直接使用することで、予測分析モデルに関する貴重なフィードバックを提供できるようになるため、意思決定プロセスの改善につながります。

    ほかにも、CDP はさまざまな構造化および非構造化データソースからリアルタイムでデータを取り込む機能を備えています。データの処理と洞察の獲得をリアルタイムで実行したり、ML を活用したり、検索や SQL 分析が可能な複数の分析エンジンを提供したりすることも可能です。

    大手メーカーが CDP と予測分析を活用してプロセスを改善している方法については、こちらをご覧ください。 

    効果的なデータ管理戦略を導入することで、IoT 実装戦略を本格的にスタートさせ、ユースケースを拡大し、デジタルの未来で成功するための準備を整えることができます。

    著者

    著者 Rob Carey の写真

    Pedro Pereira

    Pedro Pereira 氏は、ニューハンプシャーを拠点とするフリーランスのライター兼編集者です。サイバーセキュリティ、AI、IoT などをテーマに、20年以上にわたって IT 業界を取材しています。

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