トムソン・ロイターは、Clouderaをベースに構築したReuters Tracerによって、組織がミリ秒単位でTwitter上に公開された事実と噂を識別し、ニュース価値のあるイベントを発見できるよう支援しています。

トムソン・ロイターは、金融とリスク、法務、税務や会計、そしてメディア市場向けに、ニュースや情報を提供する世界屈指の情報ソース提供企業です。

課題

今やTwitterは、あらゆる直接体験を共有できる重要なニュースソースとなっています。しかし、ジャーナリストや企業にとっては、全てのツイートの意味をいち早く理解することに加え、それが真実なのか、あるいはフェイクニュースや単なる意見なのかを見分けることが、大きな課題となっています。トムソン・ロイターは、機械学習と高度な分析機能を使って、雑音の中から信頼できる答えを見つけ出すことで、ジャーナリストや業界の専門家が抱えるこのような課題に応えようとしています。「正確性に対する私たちのコミットメントを維持しながら、ある出来事がニュースとして価値があるかどうかを一瞬で判断することができるプラットフォームを構築しました」とトムソン・ロイターのR&D部門の責任者、Khalid Al-Kofahi氏は話します。

トムソン・ロイターは、そのインテリジェントなニュースサービスであるReuters Tracer を擬人化して「トレーニング中のボット (bot) ジャーナリスト」と呼んでいます。1日に約1,300万のツイートを処理するこのソリューションは、イベントが発生した際、対象が真実かどうか、またニュースとしての価値はあるのか、さらにその範囲や影響について判断します。対象ツイートが「意見」であり、それが著名な専門家が発信したものであれば、Reuters Tracerはニュース価値があると判断します。その結果は、ニュースイベント毎に正確性や信憑性の評価結果を格付けした「ニュース価値スコア (newsworthiness score)」としてジャーナリストや企業に提供されます。

”イベントが持つニュースとしての価値を評価できるよう、このプラットフォームには数百もの機能を搭載し、報道ジャーナリストがそうであるように、ソースの履歴や多面性、さらにツイートで使用されている言葉、拡散パターンなどを見極められるよう学習経験を積ませています”

—トムソン・ロイター リサーチ担当ディレクター、Reuters Tracerリードサイエンティスト、Sameena Shah氏

Reuters Tracerは、Clouderaの最先端プラットフォームをベースに、機械学習や高度な分析機能を実装することで、ツイートの分析に必要な処理速度と正確性を実現しています。「Clouderaの最先端テクノロジーを使って、データの分析やテキストの合成を行い、データの価値や意味を抽出し、お客様が求めるインサイトを提供しています。全てのアプリケーションが非常に高速に動作し、イベントの取り込みと検出は40ミリ秒未満で完了します」とAl-Kofahi氏は述べています。

Reuters Tracerによってジャーナリストや企業は、急速に変化するニュースを追いかけることができます。Al-Kofahi氏は、次のように述べています。「私達は、金融や法務、税務、会計といった分野の専門家、そして世界トップクラスの報道機関であるロイターに対して、情報ベースのソリューションを提供しています。Reuters Tracerによって、市場に重大な影響をもたらすイベントの発生が報告されると、遅延することなくそれをお客様に報告します。Reuters Tracerが他の大手報道機関に先んじて、重大なイベントを発見した例は山のように存在します。さらに、ジャーナリストによるイベントの発見をサポートすることで、彼らはイベントを単にレポートするだけでなく、そこにより高い価値を付加する仕事に集中できるようになります。」